近年のマグロ事情
今なにかとちまたで騒がれているマグロ
漁獲量制限などマグロ業界もなかなか難しい。
それは、
大人になっていない産卵前のマグロ(ヨコワ、メジ)を捕ってしまっているから。
和歌山に親戚がいるのでヨコワなるものをいただいた事が何度もある。大阪のスーパーではあまり見かけない。
美味しいが独特の臭み(鉄が濃い?)がある、カツオに良く似た味で筋が多いのが気になる。もしスーパーで売っていたとしても自ら購入してまで欲しいとは思わない。
珍しいから美味しい、は違う気がします。
世界三大珍味にしてもクセがあるので、万人受けするわけではない。
幼魚もしくは稚魚を食べてしまえば当然成魚になる確率は下がる。
買わされる消費者ではなく、自分で欲しいものを選んで食べたい。
伊勢海老にしても、昔ほど大きな個体は高い、希少価値がついているから、大きい個体がいなければ小さいものを獲るしかない。ますます生態系は破壊されていく。
漁協が努力しているから混沌とはなっていない。海の掃除や、人命救助など、日頃の積み重ねで海の豊かさが保たれている。
日が上る前から起きて、漁の準備をする。うみに生きる男たちは屈強で強い。そして我慢強い。
天候にも大きく影響される上。大漁で船が魚で満帆でも、人が海に落ち救助が必要ならば、魚を全部捨てて急行しなければならない。魚を捨てる理由は全速力が出せないかららしい。
助けられた側に何かしら請求する事もない。
人命が第一、それが当たり前。
都会での生活をしていると、日常的に「死ねばいい」という言葉を使う。テレビのお笑い番組でも普通に放送される。死という言葉が象徴的になっているのだろう。都会では命を司る言葉でさえ希薄になっている。
そうやって美味しいお魚がスーパーに並ぶ事になる。冷凍の技術が進んでいるから、旬という概念はほとんどなくなってきている。
外国産は安く、日本産は高い。それは日本近海の維持費も含まれていると思って欲しい。漁獲量を守り、稚魚や幼魚をとらず、自分達の生活も維持しなければならない。
マグロの旬は冬だとどれだけの方が知ってるでしょうか。そしてその旬のマグロを獲るために漁師さんたちがどれほど努力しているか。
感謝しつつ本題に移りたいと思います。
マグロの造り方
1、マグロをてに入れます。
上に置いてある包丁は刺身包丁です。刺身は切断面が潰れていると舌触りが変わり、味も変わります。なるべく鋭いものを用意したいですね。
ちなみに今回のマグロのサイズですが、重さは1㎏厚さは4㎝、横が25㎝、縦が15㎝程度です。皮もついています。その場で切り分けてもらいます。限りなく大トロに近い部位をいただきました。
2、皮、血合と身を切り分けます
A 赤身 お馴染みの赤身
B 中トロ 脂が乗った部位
C 血合い 美味しくはないが栄養満点
D 血管 血が流れる血管、臭みがある。
E 腹皮 内蔵を包んでいる皮
F 皮 外皮
ちなみに我がマグロ家では脂の乗った大トロよりも、適度に脂が乗った中トロが好き。
A赤身、B中トロ
それぞれ刺身でいただける部位です。色々な調理方法があるとは思いますが、お刺身でいただくのがベスト。我が家では醤油発祥の地、和歌山県湯浅町の湯浅醤油で食べています。
切り方ですが一般的に筋に対して垂直に包丁を入れるとベストだとされています。筋が縦に入ると筋ばった歯ごたえになってしまい、噛みきれずに口のなかで筋だけ残る事になります。
このように筋に対して垂直に切り分けます。最終的な形やサイズを想像しながら切らないと我が家のように妙な形のお刺身になってしまいますよ!
参考までに、お刺身は臭い魚ほど薄く造った方が口のなかでの臭いがマシになります。かつてキハダマグロのブロックにかぶりつくという暴挙にでた私は、その口の中いっぱいに広がった臭いにびっくりしました。
C血合い、D血管
血合いは血液がたまる部位です。どんな魚にも存在します。臭くて不味いので生では食べない方が懸命でしょう。我が家では臭みを逃がす為に小さいブロックにして炒めます。
血管は皮の際辺りに良くあります、見つけたらピンセットで取り除きましょう、刺身にする際もこの中に残留している血がまな板についてしまいます。血が臭うと言っても過言ではありませんので、こまめにキッチンペーパーで拭き取ってください。包丁も同じです。血がつく上に脂で切れにくくなるので都度キッチンぺーパーで拭き取るようにしてください。
E腹皮
内蔵を包んでいる皮です。脂がほとんどです。網焼きでパリパリにすると美味いです。
F皮
唯一食べないのはこの部位だけです。
以上マグロの造り方でした。切ってるところの写真がないのは息子に断られたからです。すいません!
マグロを釣ってくれた漁師さん、新鮮なまま運んでくれたドライバーさん、売ってくれたお店、その誰かがかけても我が家の口には届いていません、そのすべてに感謝しつつ、ごちそうさまでした!
(ちなみに一日で食べきらずに赤身は翌日にとっておいて、とろろ芋と会わせたりして食べてます。)